2001年10月に南アフリカで行われたランドローバーのイベント
「TReK2001」を取材に行った帰りに寄った、
ホテル「SABI SABI」の敷地でのショット。

SABI SABIはサバンナの中に建てられたリゾートホテルで、
広大な敷地を持っている。売り物はサファリ。
サファリとは、自然の中で生息している動物を間近に眺める
見学ツアーである。
追い詰めたサイやキリンをライフル銃で仕留めていたのは、
もちろん、ヘミングウェイの頃までの話。
今は、仕留めるのはカメラかビデオ止まりだ。
南アフリカでは、昔からサファリが盛んに行われていたが、
かつてはひとつひとつのサファリの敷地があまりに広大だったため、動物が偏ってしまうという弊害があった。
敷地が東京23区ぐらいあったから、たとえ一週間ぐらい滞在した
としても、タイミングが合わないと、
客によってはまったく動物たちに会うことができないまま
帰らざるを得ない人が少なくなかった。
それでは誰にも喜ばれないと、国が管理していた広大な敷地を
分割民営化して、必ず動物に会える“サファリリゾート”化されたのが20世紀終わりの頃だったそうだ。 
SABI SABIは、イギリス資本のリゾートホテルで、
分割されたとは言っても、フロントから宿泊棟まで、
クルマで延々と20分ぐらい走っていってようやく着いたくらいの
広さがあった。しかも、その宿泊棟はひとつではなく、
敷地内に点々といくつもあるのだった。
その広大さがわかるだろう。
“棟”とはいっても、ビルがサバンナの中に建っているのではなく、
傾斜地に穴蔵のように掘り込んだ中が部屋だった。
朝晩2回、ランドローバー・ディフェンダー110の改造車に乗り、
敷地内のフィールドとジャングルに動物を観に行った。

夕方、サバンナの中を進んでいくと、路端にライオンが寝ていた。
トーケンズの唄のように、グッスリと眠っていた。
最初は、ライオンが現れただけで僕らの間に緊張感が走ったが、
寝返りこそ打つものの、一向に起きてくる気配がなく、
「いい加減に起きたらどうなんだッ!?」と
こちらにも眠気が移ってきたほどだ。
ディフェンダー110をサファリ用に改造する業者はいくつかあって、
このクルマを造ったのはCrissonsというディーラーだった。

2010年10月表紙

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