2009年2月のチュニジアでのショット。
フォルクスワーゲンの「ドライビングエクスペリエンス」
という一般向けのイベントに参加し、
サハラ砂漠を4日間トゥアレグTDIで走った。

欧米の自動車メーカーは、以前から個人では
簡単には行けない場所への旅行を企画実行している。
ウェブなどから申し込んだ参加者は、格安の参加費で、
そのメーカーのクルマを運転しながら絶景を体験できる。

クルマ好き、旅好きならば、誰でも行きたくなる内容だ。
自動車メーカーは、その旅を重要なマーケティング活動
として活用してきている。特に、プレミアムカーメーカーほど
古くから実施してきていて、ポルシェなどは
「ポルシェ・トラベルクラブ」という別組織まで設立し、
毎年分厚いカタログまで発行しているほどだ。

狙いは、リピーターの増加と新規顧客の獲得だ。
先進国では、発展途上国のように自動車ユーザーが
爆発的に増えることはもうない。
必要な人には、クルマが行き渡ったからだ。
ゼロサムゲームに勝ち、限られたパイを少しでも
大きく切り取るためには今までのような
マスマーケティングだけでは限界が見えてしまった。

ヨーロッパでさえも、クルマは夢を抱かせてくれるような
特別な存在ではなくなり、“白物家電化”している。
ラップランドの凍結湖やドバイのデューン、
アフリカのサファリなどへ連れ出し、
クルマとともに特別な体験をさせることによって、旅の体験と
思い出を購買動機やクチコミに直結させようとしている。

フォルクスワーゲンもその効能に気付き、5年前から
「ドライビングエクスペリエンス」と称して、北アフリカや北欧、
ロシア、地元ドイツなどでイベントを行っている。

日本から参加した3名のうち2名はトゥアレグユーザーで、
1名は他のドイツ車ユーザーだった。
みんなサハラのデューンで何度もスタックして、
砂まみれ、汗だくになっても、夜は満天の星と
美味しい料理を満喫していた。
2名は「次もトゥアレグを」とリピーターとなり、
1名は「こんなにトゥアレグがスゴい走破力を備えているとは
思わなかった」と真剣に乗り換えを検討し始めていた。

2011年5月月表紙

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