月報 2009年2月February


●2月3日 ルノー・トゥインゴ、シボレー・トラバース、ジープ・ラングラーサハラ、アウディS3
     RENAULT twingo、CHEVROLET traverse、JEEP Wrangler sahara、AUDI S3 sportsback

 

毎年恒例のJAIA(日本自動車輸入組合)試乗会に参加する。
大磯プリンスホテルを起点にして、現在、日本で購入できる正規輸入車の主なモデルを試乗することができる。車種は、事前の申し込みによって決められる。 応募者多数の車種は、抽選。それまで乗りそびれていたクルマを申し込み、乗れることになったのは、ルノー・トゥインゴ、シボレー・トラバース、ジープ・ラングラーサハラ、アウディS3スポーツバック。


トゥインゴは、車名こそ同じだが、旧型とは全く別のひと回り大きなクルマになってしまった。ルノー・ジャポンの広報担当者も、「旧型ルーテシアをベースにしていますから」と、認めていた。大きく、シート座面が高くなってしまったのは残念。ポップで楽しかったインテリアも、フツーになった。何にも似ていない個性を備えていたのに、他と取り替え可能になってしまった。フィアット・パンダと同じように、カルト的な人気を誇っていたクルマの名前を付けられた別のクルマはツラいなぁ。同情するヨ。

シボレー・トラバースとジープ・ラングラーサハラを乗り較べると、いまのアメリカ車が直面している苦悩が浮かび上がって来るようだ。トラバースは巨大なボディを持つ3列シートのミニバン。ラングラーサハラはシンプルなメカニズムのオフロード4輪駆動車。SUVという言葉が生まれる前からの、ヨンクの本格派。乗用車&高速化するSUVと一線を画し、トラディショナルなスタイルを守り続けている。好きな人にはタマラないが、多くの人からは、乗りにくく、快適性に欠けると断じられるだろう。絶対に必要な存在だが、より一般的に敷衍したものが必要となる。

一方のトラバースには、ボディの大きさ以外、アメリカ製である個性がうかがえない。アメリカで乗る分には、ことさらアメリカ車の個性は必要ないが、日本で、輸入車という商品として売られるアメリカ車としては個性が薄過ぎる。薄いだけでなく、ヘッドライトの形状やメーターのデザインなどがスバルやアウディそっくりなのには、哀しくなってくる。わがままかもしれないが、“ちょうどいいくらいの個性”を持ったアメリカ車が、いま日本に輸入される必要があるのではないだろうか。アメリカを旅していると、いい感じのアメリカ車を眼にすることがあるが、日本にはあまり輸入されない。

アウディS3スポーツバックは、期待違いだった。旧型のS3のように、2ドアボディを想像していたら、日本には4ドアしか導入されないという。“プレミアム”を標榜するなら、A3のハイパフォーマンスモデルであるS3には、ぜひ2ドアだけで展開するのがふさわしい。「2ドアは日本じゃ売れないから」という輸入元のボヤき声が聞こえてきそうだが、販売台数を追うのはプレミアムメーカーのやることではないだろう。だいいち、A3スポーツバックのパッケージングでは4ドアにしたところで、積載量と荷物の上げ下げし易さにそれほどの違いは生じない。だから、実用面でも問題はないのだ。プレミアムモデルこそ、積極的に2ドアを。 


●2月7日 トヨタ・ヴェルファイア TOYOTA Vellfire

法事のために、ニッポンレンタカーでヴェルファイアを借りる。寺から墓地まで親類8人と卒塔婆を乗せられ、普通免許で運転できるクルマをインターネットで探すと、時々、利用している近所のニッポンレンタカーでヴェルファイアが借りられることがわかった。レンタカーも、便利に借りられるようになった。24時間いつでも返却可能だし、ほとんどの車種に禁煙車が設定されている。ヴェルファイアは、イカツいフロントグリルとは対照的に乗り心地が優しく、燃費がいいのが助かった。都内で150kmほどストップ・アンド・ゴーを繰り返し、8km/lは立派。


●2月10日 ボルボC30S40V50 2.0e Power shift 
     VOLVO C30S40V50 2.0e Power shift

ボルボの末っ子三兄弟に2リッターエンジンとツインクラッチトランスミッションが組み合わされ、価格も約40万円下げ、全車300万円以下に。ゲトラグと共同開発したツインクラッチトランスミッションは、フォルクスワーゲンのそれほど頻繁に変速することはないが、ショックなく変速し、燃費が向上しているのだから言うことはない。ボルボ・カーズ・ジャパン代表のリチャード・スナイダース氏と話すと、日本市場が予想以上に冷え込んでいることを訝しんでいた。

「日本の状況はアメリカやヨーロッパの他の国々ほどは悪くないのに、経済活動のモチベーションが低過ぎる。“不況、不況”という雰囲気、空気に過剰に反応し過ぎ、買える人まで財布のヒモを締めてしまっている」
同感。


●2月24日 ホンダ・インサイト HONDA Insight

発表前から話題のホンダ・インサイトのメディア向け試乗会に参加する。起点の東京プリンスホテルから、アクアラインの“海ほたる”を往復する。ハイブリッドカーの「新しモノ感」は薄れ、とても燃費のいい普通の小型車に仕上がっている。ギミック多く、メーターパネルとその周辺の造形の息切れが惜しい


 

●2月26日 シトロエンC4、C4ピカソ CITROEN C4、C4 picasso

BMWと共同開発した1.6リッター直噴エンジンに積み替えたC4のメディア向け試乗会に参加する。湘南国際村を起点にし、久里浜港を往復する。兄貴分のC6やC5と違って、C4とC4ピカソはオーソドックスなサスペンションを持つが、柔らかい乗り心地と、粘るハンドリングはC6やC5と似ている。ATが4速なのが弱点だが、包み込まれるようなシートと優しい乗り心地、モダンでシンプルなインテリアの造形など、大いに魅力的だ。

 

 

 

●2月27日 ポルシェ911タルガ4S PORSCHE 911 targa 4S

『モーターマガジン』誌の連載「プレミアムカーのこころ」の取材のため、911タルガ4Sで千葉県鴨川へ。西から天気が崩れているので東へ向かったが、東も雨がパラパラと。カメラマンと編集者は困るが、僕はタルガ4にお誂え向きの天気に大喜び。大きなガラスでキャビンが覆われているタルガ4は雨の日こそ、真骨頂を発揮するからだ。車内は明るく、ガラスに当たる雨音が趣きを増してくる。