フォルックスワーゲン・ゴルフGT1
ポルシェ・ターボ
ポルシェ・ターボ
ポルシェ・ターボ
金子浩久
BMW M3

 

 

 

 

 

月報
2009年10月 October


●10月7日 フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
VOLKSWAGEN Golf GTI

自動車情報サイト「オートックワン」での連載企画「500km走行燃費レビュー」を取材するため、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIで志賀高原、八ッ場ダム、榛名湖を巡ってくる。
100km毎の燃費を測定するのが目的だが、いい燃費値を出すための、
いわゆる“省エネ運転”は行っていない。
周囲のクルマの流れに合わせ、そのクルマなりに走っている。

今回のテスト車、ゴルフGTIには、すでに南フランスと箱根で乗っている。
その、ほぼ欠点の見当たらない見事な走りっぷりには感心させられていたが、
果たして500kmという距離を駆け抜けたら、その印象はどう変わるか、変わらないのか。

詳しくは同サイトをご覧頂きたいが、一点だけ復唱させてもらいたいのが、
シートの優秀性だ。
この連載で、今まで500km走ったクルマたちは、すべて途中でシートのホールド性の
貧弱さを露呈していたのだが、ゴルフGTIには、そんな素振りは一切なかった。


 

●10月12日 ポルシェ・パナメーラ4S
PORSCHE Panamera 4S

アメリカの音響メーカーBOSEのプレスイベントに参加するため、
フランクフルト経由でシュツットガルト近郊のルドヴィッヒスベルグに投宿。
翌日から、ポルシェ・パナメーラ4Sでシュバルツバルトを経由して、
フランス・ストラスブール近郊のオトロットという小さな街に一泊し、
再びルドヴィッヒスベルグに戻ってくる。

パナメーラ4Sには、最新のBOSEのサウンドシステムが装着され、
CDやDVD、i-Podなどで音楽を聴きながら、その再生能力を試すことが今回の目的だ。
詳しくは、「モーターマガジン」誌に書いたが、 クルマの開発時から同時進行で
音響設計も行っているBOSEによる再生が悪いわけがなく、
素晴らしい音を堪能することができた。
クルマを運転しながら聴く音楽に何を選ぶかは、
ダイナミックに移り変わっていく車外の景色と、意識がどれだけ摩擦して
感情がスパークできるかに掛かっているということがわかった。
摩擦には、正方向と反対方向がある。
シュバルツバルトでパナメーラ4Sに乗ってブラームスを聴くのが正方向。
内山田洋とクールファイブを聴くのが反対方向。
キマり過ぎて気恥ずかしくなるか、違和感によってかえって曲が精彩を放ってくるか。
日本向けのパナメーラはBOSEのカーオーディオシステムが標準装備される。

 

 

●10月17日 ポルシェ・ターボ
PORSCHE Turbo

フルモデルチェンジしたポルシェ・ターボのメディア試乗会に参加する。
場所は、ポルトガル・カスカイス近郊とエストリル・サーキット。
今度のターボは、他のポルシェ各車のようにエンジンがガソリン直噴化され、
オートマチックトランスミッションが「PDK」化された。
狙いは、さらなるパフォーマンスの向上と燃費の向上だ。
3.8リッター6気筒ツインターボ水平対向エンジンは、
効率が改善されたエクスパンションインテークシステムと
可変タービンジオメトリー付きターボチャージャーが採用され、
最高出力が20馬力増強され、500馬力に達した。
それによって、最高速度は312km/h。
停止状態から100km/hに達するのに、わずか3.4秒しか要しない。
燃費は、8.7km/l。

6代目に進化したターボは、「PTV」(ポルシェ・トルク・ベクトリング)という
新たなテクノロジーも装備し、ステアリング精度とコーナリング安定性を向上させ、
より高速でコーナーを走行することを可能にした。
従来からの「PASM」(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)の効果との相乗効果もあり、新型ターボの速さは一段と鋭さを増している。

歴代ターボは、911をベースに作られたスーパーカーだったが、911よりも速い分、
スパルタンな乗り心地と重い排気音などが一線を画していた。
「疲れている時には乗りたくない」と思わせる凄みがあった。
しかし、今度の6代目は、エンジンが変更されたことの影響が大きく、
速さは増したが、凄みは姿を消した。
それをモノ足りなく思うターボユーザーもいるかもしれないが、僕は歓迎したい。
長距離を走る時などに、疲労が軽減されるからだ。

また、オプショナルでパドルシフトが選べるようになった。
昨年の911やボクスターなどでのPDKの導入時に於ける、
ステアリングホイール上のボタンでのシフトに対する
メディアからの拒否反応が強かったことから、
もうひとつの選択肢としてパドルがオプショナルに設定されたのだ。

「ユーザーからは、クレームは一切出ませんでした」(開発担当者)

個人的には、パドルを選ぶ必要はないと思う。
ボタンの方が、片手でアップとダウンの両方が可能だし、
“スポーツ”もしくは“スポーツプラス”モードを選択して走れば、
ドライバーがいちいちパドルでシフトしながら走るよりも、
PDKに任せておいた方が、ずっと賢く、速く走れるからだ。
昨年、PDKを装備した911タルガでイタリア・ガルダ湖周辺の
急峻な山道を走った時にもPDKの賢さを痛感させられたが、
今回、ターボでエストリルを走って、さらにそれは確信に変わった。

 

 

 

●10月21日 トヨタ・プリウス
TOYOTA Prius
 

東京モーターショー会場で開票と発表が行われた「2008-09日本カーオブザイヤー」。
イヤーカーの座には、トヨタ・プリウスが就いた。
僕が10点満点を投票したのは、三菱i-MiEV。
プリウスはすでに約30万台も受注するほどの大ヒットを記録し、
世の中にも十分に認知されている。
それに較べて、電気自動車のi-MiEVの認知は、まだまだ。
「航続距離が160kmと短い」とか、
「定価450万円、各種補助金を利用しても300万円と高い」とか、
「初年度は法人向けだけ」とかi-M-EVの難点を挙げる人もいるけれど、
現実的な電気自動車を発売した意義は大きい。
現在の携帯電話だって、20年前に発売された時には
ショルダーバッグのように大きなものを肩から下げていたじゃないか。
電気自動車だって同じように進化しない、とは誰も言えないはずだ。

 

 

●10月28日 ランドローバー・レンジローバースポーツ、ディスカバリー4
LANDROVER Rangerover sport、Discoverly4

ランドローバーの主力3車種が、ガソリン直噴化された5リッターV8に積み替えられた。
ポルシェ・ターボと同じように、いまヨーロッパのハイパフォーマンスカーは、
端からガソリンエンジンを直噴化されている。
省燃費とCO2削減と出力向上を同時に実現できるからだ。

新しいエンジンは、5リッターもの大排気量V8とは思えないほど、
小気味よく高回転域まで回るのが印象的。
レンジローバースポーツの軽快感、ディスカバリーの懐の深さ、
レンジローバーの極上質感と、3台は軸を同じにしつつ、
それぞれの個性を際立たせているのが素晴らしい。
レンジローバーの廉価版のようなフロントグリルに付け替えられ、
オーバーフェンダーを付け加えられたことによって、
現代建築のようなフラットでプレーンなカッコいいサイドビューが
損なわれたディスカバリーのエクステリアが惜しい。

 

 

 

●10月30日 BMW M3
BMW M3

『モーターマガジン』誌での連載「プレミアムカーのこころ」の取材のため、
BMW M3で箱根・伊豆へ。
歴代M3には乗って来たが、V8エンジンを搭載した現行M3に
まとまった距離を乗るのは初めて。
新開発のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を介して
4リッターV8のパワーで後輪を駆動するM3は、
好天の山岳路でこれまでとは少し異なった表情を見せた。
詳しくは、12月1日発売の同誌で。