スバル・レガシィ アウトバック

フォード・エクスプローラー
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メルセデス・ベンツ燃料電池車

ポルシェ・パナメーラSハイブリッド
ポルシェ・パナメーラSハイブリッド

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月報
2011年5月May


5月14日 ポルシェ・パナメーラSハイブリッド
PORSCHE Panamera S Hybrid



カイエンに続き、ポルシェが発売したハイブリッドカー
「パナメーラSハイブリッド」のメディア試乗会に
参加するために、ドイツのベルヒテスガルテンへ行った。

ベルヒテスガルテンには第二次大戦前に
アドルフ・ヒトラーとナチス党幹部連中の山荘があって、
戦争末期には彼らはここで一年のうち数ヶ月を
過ごすようになっていたことで有名な避暑地である。

当時の建物は終戦時に連合軍にすべて破壊し尽くされている。
現在は、その跡地見学用のシャトルバスが
山の中腹から運行されている。
ヒトラーは、政権を獲る以前に著した
『わが闘争』の印税で、最初の山荘を購入した。
アルベルト・シュペーアの『第三帝国の神殿にて』を
思い出しながら、ハンドルを握った。

パナメーラSハイブリッドの最大の特徴は、
「コースティングモード」にある。

コースティングモードとは、走行中に一定の条件を
満たしたとクルマが判断すると、エンジンを停止し、
クラッチが切れてパワートレインの動力伝達機構から
離れて走ることを言う。

走行中にエンジンが停止してモーターだけで走る
ハイブリッドカーは珍しくないが、
クラッチを設けてパワートレインから切り離すのは、
このパナメーラSハイブリッドと同じシステムを用いる
カイエンSハイブリッドとフォルクスワーゲン・
トゥアレグハイブリッド、
それに日産フーガハイブリッドだけである。

パワートレインから切り離せるから、 エンジン内部の
シリンダーとピストンの摩擦抵抗がゼロになり、
その分の燃費が向上するというメリットを獲得できる。
しかし、その一方で、クラッチという重量物が加わる
ことになってしまう。だから、ある程度重量級の
クルマに向いている方式なのだろう。

パナメーラSハイブリッドの走り出しは、必ず、
電気モーターによる。スーッと静かに走り出す。
そこからスロットルを大きく開けて加速すれば、
エンジンが始動して両方のパワーユニットを
駆使して走るが、最初はモーターだ。

だから、安全のために必ずドアを閉め、
シートベルトを締めてからイグニッションをオンにしないと、
走り出しても電気モーターは働かない。
したがって、コースティングモードにも入らない。

スタートしてベルヒテスガルテンの山を下っていく区間は、
ほとんどがコースティングモードに入っていた。
山道の前方を行くクルマに追いついてフットブレーキを
踏んだりすると、パナメーラSハイブリッドはドライバーが
減速を必要としているのだと判断して、
エンジンを始動し、エンジンブレーキを発動させる。

十分に減速し、コーナーも緩やかになって、
落ち着いた途端に、エンジンは音もなく止まり、
タコメーターの針がストンッと“0”の位置まで落ちる。

頻繁にコースティングを繰り返し、
一般道と山道を組み合わせた試乗コースで、
燃費は14.7km/リットルという優秀な値を示した。

1400万円超と非常に高価だが、燃費の良さだけでなく
ポルシェらしい鋭く速い走りっ振りと快適な乗り心地、
豊富な装備などを備えているから魅力的だ。
ハイブリッドカーなどの“エコカー”と呼ばれる分野でも、
ポルシェはまたポルシェらしい一台を作り上げてしまった。

 

 

5月17日 フォード・エクスプローラー
FORD Explorer


4月にアメリカで乗ったエクスプローラーの
日本仕様を、成田空港から乗った。


左ハンドルで、アメリカ仕様とほとんど変わらない内容。
「マイ・フォード・タッチ」という
呼び名まで付けられている、大型タッチスクリーン式の
マルチファンクションディスプレイが使いやすいのだが、
カーナビだけが日本仕様には用意されていないのが
残念なところだ。
空調、エンターテインメント、携帯電話などと統合的に
操作と表示が行えるところ、カーナビが省かれている。
現代のクルマでカーナビは不可欠なのだから、
ぜひとも、この素晴らしい「マイ・フォード・タッチ」の
カーナビを日本仕様にも組み込むべきだ。

 

 

5月25日 スバル・レガシィ
SUBARU Regacy


栃木以西の日本列島の西半分を地質的に二分している
「中央構造線」に沿って、四国を東から西へ、
スバル・レガシィ・アウトバックで2日間走った。
紀行文は、7月1日に発行される
『カートピア』誌に掲載されます。

 

 

 

 

5月27日 ポルシェ・911カレラGTS
PORSCHE 911 Carrera GTS


自動車雑誌『モーターマガジン』誌の連載
「プレミアムカーのこころ」の取材のため、
ポルシェ911カレラGTSで、富士山麓と山中湖へ。
噂されているように、911シリーズがこの秋に
モデルチェンジを行うとすると、
現行の997型911の最終版が、このカレラGTSとなる。

その997に変わる前に、996型にもエンジンを
チューンアップした限定版911が追加されたことがあった。
単なるパワーアップだけで終わらず、
熟成されていたのを思い出す。
このカレラGTSにも、それと似た
完成度の高さが備わっていた。

 

 

5月30日 メルセデス・ベンツ燃料電池車
MERCEDES BENZ F-CELL


水素から電気を取り出す燃料電池で走るメルセデス・ベンツの
実験車が、世界一周の旅に出た。
ドイツ・シュツットガルトから出発してポルトガルから
アメリカに渡り、オーストラリアを横断し、
上海からカザフスタンを抜け、ロシア、北欧と回って、
半年ぶりにドイツに戻ってきた。

その最終セクションに参加して、ハンブルグから
シュツットガルトまで走っている途中。

メルセデスのBクラスをベースにしたクルマは、
2リッターガソリンエンジンと同等の性能を有し、
静かで重厚な乗り心地が印象的だ。
アウトバーンでの加速なども不満はなかった。
航続距離は400km。
水素でタンクをフルに満たすには20分と、
いずれも電気自動車の弱点に悩まされることはない。

もし、このような燃料電池のクルマが実用化されれば、
有害物質とCO2を一切排出せず、
使い勝手の良い革命的なクルマが誕生する。
近距離は電気自動車で、中遠距離は燃料電池車で
といった棲み分けも可能だ。
クルマの開発だけでなく、水素を補給する
インフラの整備も行われる必要がある。

ダイムラー社取締役ダイムラーグループリサーチ、
メルセデス・ベンツカーズ開発統括のトーマス・ヴェーバーは、
「需要をまかなう水素補給ステーションネットワークの
整備が欠かせません。いまや各方面の力を結集し、
この補給ネットワークを整備する時期に来ています。
このクルマは、未来のモビリティに対してすでに
大きく役立つことを見事に示したからです。
F-CELLワールドドライブはこのことを実証する試みです」
と語っていた。